【レポート】養成講座day3 ! ファシリテーションスキルを駆使して、先生の想いをカタチに!

2022.08.07(日) キャリア教育コーディネーター養成講座の第3日目「児童・生徒・学校の理解を通じたキャリア教育/探究学習で育む力と関わり方」が開催されました。

前回までの様子
【レポート】養成講座day1 ! “学校と社会”をつなぐ教育コーディネーターへ !
【レポート】養成講座day2 ! “学校と社会がつながる”意義と可能性への探究 !

まずNPO DNA沼田より、この日の到達目標である“教育ファシリテーションのスキル獲得”と流れについての説明を行いました。実は、第3日目となる今回は、午前の部から特別セッション!その前に、この日のグループでの自己紹介を兼ねてチェックイン。

そして、すぐさま特別セッション。今回は「教育ファシリテーション理論と実践」というテーマで、NPO法人みらいずworksの角野仁美さんよりお話しいただきました。

10代の頃にキャリア教育やファシリテーションの大切さを感じた経験から、現在の活動をされている角野さん。その経験や活動内容についてお話しいただきました。

次に実際に「価値ランキング」を使ったワークを受講生の皆さんが実際に体験しました。

“人の成長に必要だと思うこと”を基準に、各個人で考えた後、グループごとに意見を出し合い、グループとしてのランキングを作成しました。

【ワーク:“人の成長に必要だと思うこと”は?】
下記7つのことから、ランキングを付けて、互いの考えを共有しながら、合意をしていきます。
・仲間
・挫折や葛藤
・知識
・指導者やコーチ
・目標
・チャレンジ精神
・努力/継続

これらのワークを通じて、どれが絶対的な正解があることでなく、それぞれの価値観を出し合いながら、すり合わせていくこと。“多様性”や“対話“の重要性をワークで体験した後、角野さんから改めて「教育ファシリテーションは何か?」「安心安全な環境を作るためにはどのようなことに気をつけたほうがいいのか」について、ミニレクチャーをいただきました。

【ファシリテーションと教育ファシリテーション】
・「ファシリテーション」:一人ひとりの考え・存在を尊重し、グループによる活動を、促進するための考え方や技術。
・「教育ファシリテーション」:一人ひとりが学び、成長するために、関わり合いを促進するための考え方や技術、
※参考:みらいずTEXT SERIES 1「教育ファシリテーション入門」(NPO法人みらいずworks)
https://miraisworks.com/publications/

また、その上で重要な「聴く」と「書く」について、そしてファシリテーショングラフィック”の手法などを手書きのスライドや実際の様子などを交えてご説明いただきました。

ここまでのお話を踏まえ、教えていただいたことの実践練習として、「これまでの講座を終えて、さらに気になっていること、深めていきたいこと」をテーマにペアでインタビューのワークを行いました。

インタビューからそれぞれの“気になること”がわかったところで、今度はその内容について一緒に話したい、聞いてみたいというテーマについてマグネットテーブル方式で新たにグループを作り、より議論を深めました。

【マグネットテーブルとは?】
マグネットテーブルは、自ら関心あるテーマ・アイデアを表現しながら、同じ関心を持っている人たちと出会い、議論・対話を深まる話し合いの手法です。自己組織的にチームを生み出したいときに用いられるワークショップの手法のひとつです。

そして午後。この日は午後も特別セッション。現役の学校教員のみなさんやキャリア教育に関わる社会人の方をお招きして、実際に45分間のヒアリングを行うセッションです。

まずは沼田よりヒアリングの目的や流れの説明を行いました。

ヒアリングのテーマは「子どもたちに、どんな資質・能力を身に付けてほしいと願っているのか?」。それを踏まえた上で、2-3人のチームでどうやってヒアリングを行うのか、どんなことをお聞きするのかについて話し合いました。チーム内での協働活動として、質問を精査し、役割分担して取り組む。ひとりで聴くよりも、より丁寧に、より深くヒアリングできる準備を行います。

ヒアリングそのものは、教育コーディネーターとしての仕事の1歩目。先生たちの願いを聴いていくことを、実際の経験として得ていきます。

次にいよいよ、ヒアリングをするみなさんをお呼びしての実際のセッション。5名の教員と、1名の民間事業者の方にご協力いただきました。

午前中に学んだ「聴き方」や「グラフィックレコーディング」等のファシリテーションスキル技術を駆使し、役割分担をしながら、チームごとに丁寧に45分間お話を伺いました。

45分間の1ターン目が終わりました。この段階で、次のチームへの情報共有を全体で行った上で、ヒアリング対象を変えて続いて2ターン目のチームによるヒアリングが行いました。


2ターン目は、より詳細に、それぞれの想いを聴くことができました。

2ターン目も終了。それぞれのチームで協力者とともに振り返りました。また、実際にヒアリングを受けた教員からもフィードバックをいただきました。

(協力いただいた教員のフィードバック)
コーディネーターとして、「この人みたいになろう」と第二の○○さん、第三の○○さんを目指すのではなく、みなさん一人ひとりらしさを存分に発揮してほしいと思っています!今日は、ありがとうございました!

こうして特別セッションを終えました。

第3回目となる今回は、午前も午後も大忙し。ファシリテーションスキルを、身体で体感し、頭で理解し、実際にやってみることを通じて会得する。最後は、それらで感じた発見・気づき・学び等について、受講生全体でじっくり振り返りをしました。

【学びの振り返り(一部抜粋)】
・ 本音で話し合えるための場づくり・スキルの必要性
・わくわく 探究への没頭は肌で伝わる伝わってしまう
・見える化は大切で、共有したり、話をもどりしたりするのに役に立つし、考えがまとまりやすい。インタビュー等でもっと活用できるようにポイントをつかみたい。
・価値観順位のワークで、どうすれば意見をまとめられるか、というところで、俯瞰することが大切だと思った、そして、誰にとっての順位?と対象を絞ることで意見がまとめやすくなることを学んだ。
・インタビューは、事前にしっかり質問の準備、聴きたいことをぶれずに、またどう深めて聴けるか…とても学びになった。早く実践してみたい。
・ ○○先生のことば 格別にささった。
・ 見える化すること、相手の言葉通りに書くこと、感情入れずにあるがままを見るように…記録的側面よりも、安心・安全・居心地を考えての面として! ! なのだ
・マグネットテーブルでキャリア教育コーディネーターとしての認知度UPのための解決策を考えられた
・心理的安全・安心・信頼の重要性は頭でも体感でも理解しているが、即時的そこで持っていくスキルや態度を身に付けたい。
・話すことは好きなのでインタビューは苦ではないが限られた時間でより核心に迫ることが重要だと感じた
・学校-地域で話す場づくり、テーマづくりは挑戦してみたい。が、できるか・・・?
・聞くこと(グラレコ含む)が、安心安全信頼の土台。4月の学年集会、教員研修、保護者会に必ず入れてもらおうと思いました。
・「価値ランキング」のワークにおいて、あえてふわっとしたお題だからこそ見えてくる自身のこと、他人の価値観が楽しかった。アイスブレイク等で活用したい。

次回は2022.08.21(日)。「学ぶことが面白いと思えるキャリア教育/探究学習のプログラムの創り方」というテーマで、第4回目を開催します。本件に関するお問い合わせは、こちらからお願いいたします。