【レポート】養成講座day1 ! “学校と社会”をつなぐ教育コーディネーターへ !

2022.07.10(日) 群馬県で初開講となるキャリア教育コーディネーター養成講座の第1日目が開催されました。

県内外から15名の受講生とともに、第1期となる養成講座のスタートです。
講座冒頭、本講座についての流れや目的についてのオリエンテーションを行いました。

その後、受講生同士でグループごとに自己紹介。

「なぜ養成講座を受講しようと思ったのか」「何を求めて受講しているのか」「修了後、どうなりたいのか」等について相互理解をしました。教育コーディネーター志望の方はもちろん、現職の教員、学童保育運営、大学生、子どもたちへの学習支援活動、企業担当者など、多様な方々に集っていただいています。

一連の自己紹介が終わった後に、自己紹介を行う意味について、お互いの”関係の質”を上げることに触れながら確認していきました。

さてここから、養成講座の本題が始まります。最初のセッションは、「なぜ、キャリア教育/探究学習なのか?」と題してインプットパート。教育の歴史的背景、そしてキャリア教育や探究学習がどのようにして必要とされてきたのか、NPO DNA 沼田&辻岡より講義しました。

お昼休憩を挟んだ後、今までの内容を踏まえて、探究的な学びについて、事例や実体験に基づいてワークを行い、参加者同士で話し合いながら考えていきました。


そして、特別セッション。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの阿部剛志さんをお招きして、「学びの土壌を耕すコーディネーターが児童・生徒の成長を育む」と題したご講演をいただきました。

阿部さん自身が研究員としてどのような活動をされてきたのか、また“学校と社会をつなぐ”コーディネーターがどのようにして生まれてきたか、現在コーディネーターの実態やコミュニティースクール(学校運営協議会制度)が全国的にどのように運営されているのか。

それらの成果や課題について、具体的なデータを交えてお話しいただくとともに、「児童・生徒が成長する環境には、学びの土壌=大人のあり方が大切である」と示していただきました。

【「学びの土壌」とは?】
生徒の資質・能力の育成に重要となる、生徒を取り巻く学習環境(学校や地域での大人との関係や機会の有無)のこと。
・「主体性」を育成することに関係する「“挑戦の連鎖が生まれる”安心・安全の土壌」
・「探究性」を育成することに関係する「“問う・問われる”対話の土壌」
・「協働性」を育成することに関係する「“協働を生む”多様性の土壌」
・「社会性」を育成することに関係する「“地域や社会に”開かれた土壌」

参考:高校生の資質・能力を高める「学びの土壌」~島根県「高校魅力化評価システム」データ分析レポート~(三菱UFJリサーチ&コンサルティングWebページより)
2022/03/10https://www.murc.jp/report/rc/policy_rearch/politics/seiken_220310_2/

大人のあり方を振り返るために、自分自身はどのような状態なのか?についても考える時間も。

初日の養成講座から、トップギア。
最後は、受講生同士で「学び・気づき」を振り返って、初回が終わりました。

【学びの振り返り(一部抜粋)】

・ コーディネーターの仕事の幅、思っていた以上に広い。そして今変わってきている教育の現場に必要。
・ 指導するではなく支援する。→伴走する(問う)ことも支援かな。これは生徒が自ら学んでいくことを信じないとできない。
・ 学校教育は、学校だけでやるものではなくなってる!でも、地域と学校がつながるには、つなげる人(コーディネーター)必要。
・ 問う・問われる/安心して挑戦・失敗できる場や環境づくり(グッドサイクル)。学生時代にこれを習慣化、社会に出てからはこの環境を自ら創り出すことが必要。
・ コーディネーターは、万能でなくていい。自分の得意を伸ばしつつ、不足を補うコミュニティづくりが大切。
・ 「学びを支えるのは誰か?」-学校と地域社会が仲間になること、生徒も学びをつくる一員(与えられる人ではない)
・ 学びの土壌は、大人にとっても大事。学び続けるイケてる大人がいる地域へ
・ コーディネーターの役割と今後の期待についてニーズがあり、数値を見るとより説得力があった。今後のキャリア選択の一つとして、動向を見ていきたい。
・ プロジェクトにおける学習者および参加者の「学びの土壌」、コーディネートする側の大人の探究性。それぞれの立場や状況で大切にしたいキーワードとして印象深かった。
・ 生徒の可能性を信じることの大切さ
・ 目標から方法を考える(方法:舞台を用意する、伴走する)
・ 目的をもつ・プロセスの捉え方を認識する
・ 教育は教育でも「学習観(客観主義・構成主義)」が違う。その理解・すり合わせ。
・ 新たな学力定義と生き方:豊かに幸せに暮らすために、それぞれが必要なものを得られる時間・考える時間が大切。
・ どんな支援者・協力者になりたいか:他の人のあり方を聞き、自分はどうだろう?と考えさせられることが多かった。
・ 無傷でキャリアを積み上げた大人41%という事実。

次回は2022.07.24(日)。「児童・生徒をみんなで支えるために、学校と社会がつながる。」というテーマで、第2回目を開催します。本件に関するお問い合わせはこちらからお願いいたします。