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探究 × STEAM教育の意義と可能性とは?(2022年4月9日開催レポート)

2022.04.09(土)オンラインにて、「探究」×「STEAM」の意義と可能性を、群馬で探究する会。-実践してきた教員からの事例報告と、ともに。-を開催いたしました。

当日は、教員/教育関係者・保護者・学生・行政関係者・民間企業など、50名ほどの方々にお集まりいただき、「探究×STEAM教育」の意義と可能性について深く探究していきました。特に明確な答えを出す、というよりは、参加した一人ひとりが疑問に思っていることや関心ごとを出し合いながら、共通理解を育むための対話と交流の楽しい2時間となりました。

まずは会の冒頭、「探究」と「STEAM」に関する基本的な知識・情報を共有しました。

その後、高崎高校の岡田教諭から、実践報告とその実践の考え方・姿勢についてお話をいただきました。

お話を頂いた後は、参加者同士での感想共有や問いを立てることで、相互の関心ごとを認識し合いながらも、「探究×STEMA」の意義と可能性について深く考える時間となりました。

私たちNPO DNAでは、新たな考えや物事が広く展開する時に、①哲学→②実証→③実装の3つが大切だと考えています。

①哲学は、「なぜやるのか?」「どうして必要となったのか?」等の最も本質的な問いに対して、考えを持ち合わせることです。関わる人々がその考えを互いに持ち合わせなければ、考えるべき原点や軸を失ってしまいがちになります。

②実証は、小さく試行錯誤しながら「やってみることとどうなるか?」等の問いに対して「このような知見・ノウハウ・気づき・学びが得られた」と認識を得ることです。

③実装は、実証で得られたもの(知見・ノウハウ・気づき・学び)から、より体系的に整理をしながら汎用的に取り組んでいくことです。

もちろん、これら3つは、①→②→③のステップで取り組むことが望ましいかもしれませんが、現実的には②から始めることも多いでしょう。「答えのない時代」と言われる最近では、PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Action/計画・実行・評価・改善)よりも、AARサイクル(Anticipation・Action・Reflection/見通し・行動・振り返り)という、ある程度の見通しが立てたら小さくても試みて繰り返すということが必要と指摘もあります。たとえば、コロナ感染症予防対策も、流行し始めた時にはなかなか大風呂敷を広げた計画を誰も作ることは出来ず、とにかく見通しが立てたらすぐに取り組んでみて、何か間違いに気づいたり知見を得たら修正していく……ということで、私たちは日常を取り戻してきました。

一方で、小さく試行錯誤しながらやりっぱなしではなく、振り返ることを通じて改めて「なぜ、必要なのか?」という本質的な問いに立ち返り、最上位の目的を共有・合意することが必要です。どちらかが欠けていると、片手落ちな状態が続きます。

そうして、①哲学→②実証を通じて、いよいよ③実装というフェーズになるのだろうと考えます。

今回の「探究×STEAM」も、①・②・③を大切しながら、10代の日々の学びや成長につながる教育活動を展開していきたいと思う2時間となりました。(NPO DNA事務局)

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