×10代

「この学校は、私を成長させてくれた」-高校生にとって学校に通う意味。

NPO DNA事務局です。この時期は「卒業式」の時期。

高校3年生になると、生徒それぞれの進路が異なることから、学校においてはそれぞれのサポートが必要です。高校3年生で「進路」が決まり始めると、“消化試合”のように日々の授業を惰性で受けてしまう生徒も少なくありません。本来、学校教育は「創造性豊かな生徒」「主体性を発揮できる生徒」「国際的なコミュニケーション能力のある生徒」を育てるために存在しているものと思えば、進路が決まったからといって、学ぶことや経験できることは十分にあります(各学校における教育目標等は異なります)

しかし、それらの学びの機会や環境が整っているかといわれれば、高校最後のテスト、成績通知、進路が決まっていない生徒へのフォロー等が優先事項として高くなるために、どうしても手薄な現状にあります。

【参考記事】高校生が幸せな人生を歩むために、“社会を生き抜く力”を育む機会を。

授業の始まりは卒業間近の12月。「高校卒業後の自分の人生を前向きに過ごしていけるように」という先生たちの願いが込められた授業。

“これまでの経験”を“学び”に変えていくための「振り返り」を軸にした全5時間。自分なりに工夫していきたこと、取り組んできたこと、頑張ってきたことなどを基に、自分の成長を実感していくための授業です。授業最終日、生徒全員が「自分なりの成長を、自分の言葉で表現する」。一体、どのような成長を言葉にしていったのでしょうかー。

「じぶん振り返りシート」で振り返る-。

まずは3年間を振り返るための「じぶん振り返り」です。これまでどのような高校3年間を過ごしてきたのかを振り返ります。

授業で大切にしたことは、いかに生徒にとって“心理的な安全性の高い授業”であるかどうか。

「この成長・・・大したことないかもな」

「こんなことを口にしてもいいのか」

「あの人に比べて、私は・・・」

そんな気持ちを持つことをあるかもしれませんが、“私なりの成長”を言葉にする。

「1年前の自分と比べて、発言することが出来るようになった」

「友達に自分の考えを率直に伝えられるようになった」

「悩みを持ったときの対処方法を自分なりに見出すことができた」

どんな成長であれ、自分にとって大切な成長。振り返りを通じて、それらを自分自身が認めていくことで、3年間を意味づけていきました。

他者との対話を通じて、さらに意味を深める-。

振り返ることができたら次は、お互いの対話を通じて、生徒が振り返ってきた経験を更に深めていく時間です。この日は「対話のあり方」をセンパイから学びながら、お互いに深めていく“学びの技法”を会得していきました。

―「3年間を振り返ってみて、自分でも成長できたと思えた。もともと自信が全く持てなかった私にとっては、こう思えるようになったことがすごいことだと思う。積極的になってたくさんの人と関われたり、いろいろ挑戦できるようになった。」

ー「話してみて自然と口から話したいことが出てきたことに驚いた。この3年間様々なことを学び、体験することができたのだと実感した。」

―「バイトを早く自立するためにやった。たくさんの仕事の知識を知りたかった。学校、自分の家から学校まで遠いけどチャリで頑張った。素直になったうえで自分磨きを頑張った。友達、相手の表情を見ながら話そうとがんばった。一緒にいてくれる人を大事にした。出会いを大切にした。」

―「自分が思った以上にみんなから成長したといわれて、自分のことを見てくれているんだなと思った。」

3年間ともに過ごした仲間と、お互いに称えあう-。

そして卒業前、最後の授業。高校最後のテストを終え、少し安心しているような表情を浮かべながら、自らの言葉で、自らの高校生活を語り、お互いに称えあう姿が見られます。

―これから自分がどうしたいのか、どんなふうに道に進み、どのように生きていきたいのか目安がついた気がする。

―私は中学生の時にすぐにあきらめてしまうことが多かったのですが、今振り返ると少しずつ頑張れてチャレンジすることが多くなったことに気づけた。

―自分の思っていたことを声に出していったとき、詳しく聴いてくれたのがよかった。この3年間はこの授業のおかげで振り返れた。

―「3年間を振り返ってみて、自分でも成長できたと思えた。もともと自信が全く持てなかった私にとっては、こう思えるようになったことがすごいことだと思う。積極的になってたくさんの人と関われたり、いろいろ挑戦できるようになった。」

-自分自身が3年間通して成長したんだなと思った。自分がどれくらい変わったのか改めて知ることができた。自分のことも人のことも認めることが大事なんだと学んだ。

-自分の3年間を振り返ることで新しい自分になれた。時には過去を振り返るのも大事と思った。

-自分の成長を感じられてうれしかった。大切なことに気づけた。

-行事が増えることにつれてクラスメートと仲良くなって、かけがえのない友達に出会えて本当に楽しかった3年間でした。私にとってこの3年間は最高の“宝物”です。

-この学校は、私を成長させてくれた。自分を変える機会をたくさん与えてくれた。

-夢を描くだけではなくて、そのためにどんなことをすべきか、やるべきことは何か考えて行動しながら実現できた。結果だけではなく、その過程に自信を持てたことが意味のある事だったと思う。

-素直に自分に出会えた。学ぶことが私のプラスになった。

-自分を変えられた。頑張れば得られるものがあると知った。友達と生活するのが楽しいことだと知った。

-人に対して優しさがある、とても接しやすく、身近に感じることができる看護師さんになりたい。

-全国、世界中の友達をつくって、つながりたい。そのために英語を日常会話レベルでしゃべれるようになりたい

そして、ともに過ごした仲間とお互いにコメントで称えながら、歩んだ3年間をかみ締めて授業が終わりました。

高校生活が、どんな意味ある3年間になるのか?

長い人生を想像する時、高校3年間ですべてが完結するわけではなく、華々しいエンドロールが流れたとしても、その後に日常は続いていきます。

しかし、社会に出る直前の「高校3年間」は、その後の人生の生きる土台につながっていく。高校卒業後も、この3年間で学んだことを活かしながら、毎日を過ごしていってほしい。そう願う気持ちで心がいっぱいになる授業となりました。

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