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【開催レポート】社会に開かれた教育課程をカタチあるものにするためには?-NPO DNA事業報告会2018

2018年6月30日、ちょっぴり早い梅雨明けとともに暑さが厳しくなってきた中、DNA事業報告会2018を開催することができました。今年は、日頃からともに教育活動に取り組む総勢90名ほどのみなさんが参加してくださいました。

お越し頂いたみなさん、ご関心をお寄せくださったみなさん、本当にありがとうございました。

今年の事業報告会のテーマは「社会に開かれた教育課程をカタチあるものにするためには?」でした。
「開かれる≒じぶんを開くことから」ということを念頭に、立場・所属・年齢を越えて、全員との対話を通じてこれからの群馬の教育に大切なことを考えていきました。

当日の様子をレポートしますので、ぜひ当日のあたたかさを感じながらご覧下さい。

「社会に開かれた教育課程」とは-?

進行は、2018年度学生職員(コアメンバー)として活動する大学3年生の橋本。始まる前から参加者のみなさんの和やかな雰囲気に包まれて会がスタートしました。

はじめに、主催者を代表してDNAの理事であり、PTA会長等も歴任されてきた亀田慎也より、「学校と社会が開かれていくことの意義」をお話させていただきました。

事業報告2017と、この先に目指していくこと-。

第1部では、事務局長の辻岡からDNAの事業報告を行いました。

「この場で、まず、お礼と感謝の気持ちを伝えさせてください-。」

辻岡は、2017年度の1年間を振り返ります。

公教育に携わっているNPO DNAが行う授業は、学校の先生とともに生徒に「社会のつながり」を届ける授業です。そのほとんどは、寄付をしてくださるサポーターや、生徒に伴走するセンパイ(ボランティア)、学生メンバーによって届けることができています。ともに生徒の成長に携わる人々が多い活動だからこそ、毎年このような報告会を通じて1年間の成果や課題について直接共有できること、とてもありがたく感じます。今日、残念ながら駆けつけることができていない方々も含め、みなさんに感謝しています。本当にありがとうございます。

お礼の後、「未来の教室」「ライフデザイン講座」などを中心にDNAが行ってきた1年間の事業成果をお伝えしました。
今回の事業報告会には、授業を受けてきた高校生(当時)が駆けつけていたので、彼女たちから学びや感想を語っていただきました。

授業を受けて、成長できたことがたくさんあった。まずは、人を頼れるようになった。本音を言えば向き合いたくなかった過去と向き合ったり、それを周りに発表したり、初めはすごくすごく嫌いな授業だった。でも、ずっと目を背け続けてきたこととしっかりと向き合って前向きになれたり、それを発表した時に周りが真剣にきいてくれたり、一緒になって考えてくれているのを見て、周りに対する見方も変わった。1人でいるのが一番楽でいいって思っていたけど、今はもっともっと人とかかわっていきたいと思えるようになった。先生と、みんなと、この授業を一緒につくることができてよかった。(高校生の「学びの振り返り」より)

そしてこれからの1年。

どんなことを目指して、ここ群馬の地で教育事業を展開していくのか?についての方向性について、お話をいたしました。また、毎年恒例であるDNAの活動を担う学生メンバーの紹介を行いながら、それぞれ活動に対する想いを語りました。

(学生職員と、各代の学生メンバーより)

私たち一人ひとりができることを対話からー。

第2部では、「社会に開かれた教育課程をカタチあるものにするためには?」というテーマで、参加者全員での対話の時間となりました。

とはいっても、なかなか話には入りくいので、今回はDNAが日々ともに授業を届けている先生お二人の想いや考えを語っていただく時間を設けました。

普段は、“代弁者(NPO DNAスタッフ)”を通じてしかサポーターやセンパイに共有できない、お二人の想いを直接共有していただきました。

左:小林先生、中央:反町さん(ファシリテーター)、右:瀧本先生

その後は、参加者全員での対話の時間です。
言葉通り立場・所属・年齢を越えて、中高生を取り巻く教育環境をさらに社会に開かれたものにしていくために、私たち一人ひとりができることや、協力し合えることについて考えていく時間になりました。

群馬の10代が、社会とのつながりを手にするために-。

全員での対話が終わり、事業報告会も終わりです。会の終わりに、代表理事の沼田翔二朗より挨拶いたしました。

私なりに 「社会に開かれた教育課程」を一言でまとめると、「生徒が、よりいろんな人と関わり、対話しながら成長する経験を得られる3年間を過ごす」ということです。私たちは、中高生がここ群馬で当たり前のように社会とのつながりを手にできる教育環境を創りたいと活動をしています。そのために、学校の先生を始め、たくさんの人々と関わり、対話を通じて、日々自分たちに問いを立て続けながら仕事をしています。

そんな日々の中で、気づいたことがあります。

それは、ここ群馬の学校には生徒の成長を願って日々携わっている先生がいるという事実と、ここ群馬という地域社会には先生と生徒を応援しようとしている人がいるという事実です。これからも私たち一人ひとりが、一人のひととして関わり、対話し合える関係を土台に、群馬の中高生の教育環境をよりよくしていきたいです。

これからもみなさんとともに、頑張っていきたいです。本日は、本当にありがとうございました。

参加者の声・感想(一部抜粋)

● まずは、となりにいる人たちから。

● 立場とか枠で話すことも重要だけれど、自分自身として話す、向き合うことは大切!

● ほんの一言でも、自分を応援してくれる人がいることを知るだけで生きる勇気につながることを。“開かれた教育課程”はそういう人と人との出会いの場・つながりの場になってほしいです。

● その子のことを「変える」のでなくて、その子の話に耳を傾けて、その子自身が「変わっていく」のを見取っていきたい。

● “従来”の学校を成立させていた“幻想”(教師、生徒の間にある階位性など)が消えつつある中で、生徒を軸にした学びを作り出していくことが必要になってきている。

● DNAに寄付を通じて応援してきた理由が、今日また増えたように思います。

本件に関するお問い合わせは、こちらからお願いいたします。

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