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お知らせ

“思春期世代の健康課題”をテーマにした、高校生による、高校生のための探究プロジェクト/GLPプロジェクト活動レポートvol.1

2021.06.21

みなさんが、10代だった、いわゆる「思春期」のころ、自分の健康について深く考えたことはあるでしょうか。

「保健で習ったくらいかなあ」

「家庭科での“青年期とアイデンティ”について触れたことがある」

「学校で行われる健康診断で身長と体重に一喜一憂したくらい」

「そして果敢で、無謀な、ダイエットにチャレンジしてしまった…」

ほとんどの方は、ご自身のことを振り返ると、今よりも体力が有り余っているように思える10代のころに、「健康」に目を向けることをしなくても、「健康」で居られたかもしれません。

しかし、10代の成長過程を考えると、ホルモンの変動が非常に激しい時期であるために、心と身体の成長が同調しないことも多く、身体的には大人になっても、心が追い付かない…という状態になりやすい時期でもあります。また、これまでは自由に身体が動かせたとしても、体育の授業で「うまくボールが投げられなくなった」という自分の身体の付き合い方が変わる時期。裏を返せば、自分との付き合い方≒自分の健康課題に付き合えるようになれると、今よりももっと自分の価値や可能性に気付くことができるかもしれない。

そしてそれは普段の10代の学び、「生物」「化学」「公民」「保健」「体育」「国語」「家庭」等の教科・科目に接続しながら、学びの奥深しさにも気付くことができる。

そこで私たちNPO DNAは、群馬・高崎にある一人ひとりの豊かなQOL(Quality Of Life / 生活の質)を支援するNPO法人ラサーナが企画・運営する【高校生が「生涯を通じた健康と性」を主体的に考え発信するプロジェクト】に協力し、7校25名の高校生が「思春期の健康課題」をテーマにしたプロジェクトをサポートし始めました。(主催:群馬県)

NPO法人ラサーナとは?
女性の元気を様々な角度からサポートする群馬県高崎市にある団体。「市民公開講座」や「“子宮頸がん予防啓発”高崎美スタイルマラソン」の企画・運営を行う。2019年からは、フィンランド等の北欧に代表される若者たちが気軽に自分の健康について考えたり、相談できる窓口「ユースクリニック」を参考し、「“若者たちのための街の保健室”ユースクリック」を開設。コロナ禍においては、LINE相談を受け付け、日々10代からの相談を受け付けている。

高校生が「生涯を通じた健康と性」を主体的に考え発信するプロジェクト(通称:GUNMA “LoveMyself”プロジェクト)とは?

【「GUNMA “LoveMyself“ プロジェクト」とは?】
2021年から新たなに始まる群馬県内の高校生を対象としたキャリア支援の約10か月間のプログラムです。普段の生活ではなかなか出会うことのない健康・性・医療・栄養を専門としたプロフェッショナルな地域の大人たちとの出会いと対話を通じて、同世代の思春期世代の健康課題を認識し、よりよく人生を歩んでいくための力をつけることを目的しています。このプログラムは、女性の生涯にわたる健康を後押しするNPO法人ラサーナが企画・運営し、群馬県高崎市の産科婦人科である舘出張佐藤病院と探究学習の専門家であるNPO法人DNAが協力し、実施します。なお、本事業は群馬県の令和3年度思春期保健対策事業(生活こども部児童福祉・青少年課)です。

【プログラム】
群馬県の高校生10名が約10か月にわたり、「思春期における健康課題」をテーマに主に2つのセッションを行い、最終的に広く動画を配信するプログラムです。思春期世代の健康課題の認識、ロールモデルとなるような地域の大人たちとの出会いや対話、「健康課題」に対する見識の広がり、仲間との対話や発表などを通じて、「思春期特有の健康課題との向き合い方」「自分を大切する大切さ」「正しい情報を選び取る力」を学びます。

【プログラムの特徴】
●「思春期における健康課題」に関する知識・情報を幅広く、奥深く学べる
・専門家による健康課題のレクチャー
・現在と将来の自分の身体の向き合い方を考える
●同世代と仲間たちとともに、約10か月間じっくり取り組む
・月1回程度の活動(約2-3時間/回)によって、
●得た見聞を伝えるエヴァンジェリスト(伝道師)活動を行う
・同世代の思春期世代に向けて、自身が得た見聞を広く伝えるエヴァンジェリスト(伝道師)活動を行う。
・具体的には、動画の撮影・収録・配信などを想定。
●すべてのプログラム修了後、活動の証明となる修了証書を受け取れる
・活動修了後の進路選択などに活きる証

【2つのセッション】
活動にあたっては、下記2つのセッションを行う。
①リサーチ(活動前半):「思春期における健康課題」について学ぶ
②アクション(活動後半):健康と性に関する正しい知識の普及啓発(動画制作とイベント開催)

【活動期間】
2021年6月~2022年3月 月に1回程度の活動+動画撮影・イベント企画

【募集対象・人数】
群馬県内の高校生10名

【応募資格】
本プログラムでは、下記に掲げる要件をすべて満たす高校生等の参加が認められます。
①群馬県内の高等学校に在籍している高校1~3学年 
②原則、2021年6月~2022年3月までの期間中、月1回程度の活動に参加できること(約2-3時間/回) 
③プログラムに積極的に取り組む意思があること
④LINE・メールアドレス・ZOOMなどを含めたICTツールを活用して連絡のやり取りができること
⑤webカメラ、マイクが使えるパソコンやタブレットを持っていること
⑥保護者からの参加承諾書

【参加費】
無料

【こんな人におすすめ】
●高校の探究学習で、「健康」「栄養」「性」「医療」等をテーマにして学んでいる
●将来、医療関係の仕事に就きたいと思っている
●メディア・動画編集などに関心があり、専門的な仕事に携わりたい
●何か没頭できる活動をしてみたい

【活動サポート】
●NPO法人ラサーナ、および舘出張佐藤病院のスタッフが、専門的な知識をサポート
●活動をする上で相談できるナナメ上のサポーターの存在
●動画撮影などを行うための専門的なノウハウのサポート
●活動で発生した交通費の支給

7校25名の高校生たちとともに、活動スタート!

2021年4-5月、群馬県内の高等学校を経由して、高校生を募集したところ7校26名の高校生からの応募がありました。定員10名としていたものの、それぞれの参加動機・目指したいこと・学びたいことを考慮して、全員の参加を認めることになりました(うち1名、参加辞退)。

【高校生の参加動機・想い(一部)】

●先日学校の先生から紹介させていただいてこのプロジェクトがあるのを知りました。健康について友達と話すことは時々ありますが、テーマとしてしっかり話し合う機会はなかなかないことなので、知識を深めたり 経験を積むチャンスだと思い応募しました。また 健康・性・医療・栄養を専門としたプロフェッショナルな大人やプロジェクトメンバーとの交流ができるのも魅力的だと思いました。世界はどんどん変化していき、人の思考も変化しています。だからこそこのプロジェクトを通して出会う人たちと思春期における健康について話し合い、自分だけでなく他の人の考えや人生を豊かにしていきたいです。

●将来栄養に関わる仕事に就きたいと思っており、私たちの健康に関わることについて学びたいと思ったから。

●私自身、去年の受験期は精神的にキツくなっていたので、親とたくさん喧嘩をしました。そして、なぜこのようになってしまったのだろうかと考えることもありました。きっと、同じ経験をしている人はたくさんいて、思春期ならではのことで仕方がないのかもしれません。しかし、私に子どもができその子が思春期を迎えたとき、また、大人になって思春期の子たちと関わることになったとき、少しでもその子の気持ちをわかってあげたいと、今自分が思春期を迎えているからこそ、強く思います。 私は、健康に生きていくためには、心が明るい方が良いと思います。だから私は、色々な悩みを抱え、それをなかなか打ち明けられない思春期世代の子たちの気持ちを救い、心を明るくできる、そんな大人になりたいです。 このイベントに参加することで、その目標に一歩近づけるのではないかと思い、希望しました。

●私が小学生だった頃、二人姉妹の次女だったはずの友達が「私、実は四女目なんだ」と告白してくれ、それと同時に大きな衝撃を受けたのを覚えています。 その子には二人の姉がいたのですが、いずれも流産で、まだお母さんの声を聞かないうちに亡くなったのだそうです。 当時小学生だった私にはあまりにも難しすぎるテーマに、どう返したらいいのか分かりませんでした。しかし、「もしお姉ちゃんたちが無事に産まれていたら私は今ここにいなかったかもしれないけど、お姉ちゃんに会ってみたかったな」と寂しそうにつぶやく友の顔が忘れられなかったのです。 その出来事があってから、私は少しでも流産をしてしまうリスクを減らし、赤ちゃんが健康に生まれてくることができるようサポートをしたいと強く思うようになりました。 私の夢は産婦人科医になることです。 その夢の実現へのビジョンをより明確にするために、現場で働くプロフェッショナルの方々のお話を聞くことのできる良い機会だと思い応募させて頂きました。 インターネットの情報だけでなく、リアルな意見を聞くことでもっと知識を増やし、現状を見つめ直していけたらいいなと思っています。

●新型感染症によって恐ろしいほどの変化をとげてしまった今だからこそ、これから未来を担っていかなければならない私たち高校生が「健康と性」について考えるのはとても大切なことではないかと思いました。テレビやSNSなどで、医療従事者の方々が最前線で頑張っていらっしゃる姿を見て、とても感銘を受けました。学校の授業では学ぶことの出来ない、たくさんの人生に生かせるようなことをこのプロジェクトでは学ぶことが出来ると思います。是非、参加させて頂いて、プロフェッショナルなことから日常に生かせることまで様々なことを積極的に学ばさせて頂きたいです。また、私は中学1年生の頃から「ジェンダー」について学んでおり、昨年は発展途上国の女性の健康課題とその対策について研究していました。今年も昨年の延長線上を研究して行く予定です。女性の生涯の健康を後押しするという素晴らしい活動を行っていらっしゃるNPO法人ラサーナさんにもたくさんのお話をお伺いできたらなと考えています。

●私は小さな子供たちと接するのが大好きです。将来、教育学部を出て小学校の教員をやりたいと思っています。その夢を果たした後は、もっと幼い子供たちとも関わるため、仕事をしながら通信制大学で保育教諭の資格も取得して、0歳から小学校6年生まで幅広い年齢層の成長に助力したいと考えています。長い人生のうちのたった12年かもしれませんが、心や身体の発育の点で、成長期の12年間は大人の12年間とは重みが違います。この時期に、どのような環境で、正しい知識をどれだけつけられたかで、その後の人生の価値観や方向性が大きく変わってくると思います。私は、勉強ばかりではなく、歴史や物理よりも実用的に必要な健康や性のことについても教え、子供たちにより深く広い思考を持たせてあげられるような教育者でありたいと思います。そのために、今回開催して頂くプロジェクトに参加し、自分の知識を深めることはもちろん、どのような方法・話し方で知識を伝えれば子供たちの関心を向けさせられるのか、というところまで考えながら学び、自分に武器をまたひとつ増やして将来への1歩を踏み出したいと思っています。

●私の通っている学校では、科学的な探究の授業やイベントが活発に行われています。学校での探究活動を重ねるごとに、複数人でひとつのことを深める難しさや、自分たちで深め方や伝え方を工夫できる楽しさを感じています。私は、このプロジェクトで学校外の人とも探究の活動をして、もっと多くの人の考え方や発想に触れたいです。

●先日学校の先生から紹介させていただいてこのプロジェクトがあるのを知りました。健康について友達と話すことは時々ありますが、テーマとしてしっかり話し合う機会はなかなかないことなので、知識を深めたり 経験を積むチャンスだと思い応募しました。また 健康・性・医療・栄養を専門としたプロフェッショナルな大人やプロジェクトメンバーとの交流ができるのも魅力的だと思いました。世界はどんどん変化していき、人の思考も変化しています。だからこそこのプロジェクトを通して出会う人たちと思春期における健康について話し合い、自分だけでなく他の人の考えや人生を豊かにしていきたいです。

●将来栄養に関わる仕事に就きたいと思っており、私たちの健康に関わることについて学びたいと思ったから。

初回の活動は、共通の目的に向かうメンバー同士の心理的安全性を高めるキックオフ。

2021年6月19日。初回の活動日を迎えることとなりました。新型コロナ感染予防の観点から、リモート開催で、それぞれの地からオンライン上に集います。

(プライバシー保護のため写真を一部加工)

プロジェクトを行うにあたっての共通目的の共有、サポートメンバー(運営スタッフ)の紹介、高校生同士の自己紹介など、キックオフの位置づけで2時間行いました。

NPO DNAは、当日の進行とともに、プログラム内容の企画・立案を行っています。「参加する高校生たちが自らの力を発揮して、いかに彼女たちの想いを活動につなげられるか?」という問いをもちながら、伴走しています。

学校も、年齢も、異なる高校生同士。私たちとしては「参加する人々の関係の質を高めることを通じて、“心理的安全性”を得て、“ともに学び、ともに活動することの意義”を感じながら共通目的に向かって参加できること」を目標にした初回の2時間でした。

【心理的安全性とは?】
心理的安全性(psychological safety)とは、「チームメンバーに非難される不安を感じることなく、安心して自身の意見を伝えることができる状態」のことです。単に互いに仲が良い、ということではなく、自分の意見にNOと言われたとしてもその後の人間関係には悪い影響をもたらさないという安心感がある状態。時には、遠慮なく話を言い合って、聴き合っていくけれども、その前提には「安心感がある」という状態のこと。
(参考:1999, Amy Claire Edmondson)

共通の目的を把握した上で、互いの考えを持ち寄る。

現時点で、高校生たちがプロジェクト目的や活動自体に、互いに感じていることも持ち寄りました。

【疑問・質問・不安】
●学んだことをどう伝えていけばよいか?
●高校生の健康意識を高めるのはどうすれば高められるのか?
●生理のことを学ぶが、どうして男女分かれて授業するのか?男性は生理を経験していないから「なんで生理くらいで」と言ってしまう人もいる。身近に感じ学んでもらうために一緒に学ぶことが大事だと思ったからこの疑問が出た。
●正しいダイエットとはどんなものなのか?もっと知りたい
●このプロジェクトに意図せず男性が一人もいなかった。どうして男性が少ないのか?男性は性に興味がない?それとも活動に興味がない?どうして気になった。
●相談窓口でも相談だけでなくいろんな活用方法があるのかな?
●活動中に性的な言葉を使うことがあると思うがどこまでいっていいのか? SNS上ではどこまでの言葉を使ってよいのか?
●コロナでどこまで活動ができるか不安
●全部リモートになってしまわないか不安

スプレッドシート等を活用して、リアルタイムで生み出された“知見”を見える化。

終わった後には、SNSグループ(メンバーのみ参加、非公開グループ)で感想を持ち寄りました。

【今日の感想】
●お疲れ様でした!最後の質問の時、自分では気づかないような質問があり、大きな発見がありました。これからのプログラムでも、たくさんの発見があるものにしていきたいです。
●楽しみな気持ちと緊張で少し不安な気持ちもありましたがメンバーの皆さんと顔合わせをしてこれからのこのメンバーで活動していくのがさらに楽しみになりました!ほかのメンバーの方とももっとお話しして交流も知識も深めていきたいです
●お疲れ様でしたー☺️ZOOMを使っての活動は初めてで不安な気持ちもありましたが、とても楽しく進めることができました!さっそくグループワークで、他校の人と話すことができてよかったです♪次回からの活動も楽しみにしています!
●このようなプロジェクトに参加することが初めてで少し緊張していましたが、楽しく活動を始めることが出来てすぐに緊張もほぐれました!あっという間の2時間でした( ºロº)次の活動も楽しみです?
●今回挙げた意見が少しだけ取り上げられて嬉しかったです。色々な問題解決に繋がる発想がこれからもできれば良いなと思いました。メンバーの顔合わせもできて3人程度ですかお話もできたのが楽しかったです。次回も楽しみにしてます♪

終わった後にLINEのオープンチャットにて感想共有。オープンチャットの機能では個人同士でつながることを防ぎ、かつ非公開グループで運用している。

参画を通じて、一人ひとりの価値と可能性に気づく。

日本の高校生は、自己肯定感が低く、社会参画意識も低いと指摘されてから久しいです。

【日本財団「18歳意識調査」より】
●「自分を大人だと思う」29.1%
●「自分は責任がある社会の一員だと思う」44.8%
●「自分で国や社会を変えられると思う」18.3%
●「社会課題について、家族や友人など周りの人と積極的に議論している」27.2%

(2019年11月日本財団「18歳意識調査」第20回 テーマ:「国や社会に対する意識」(9カ国調査)より)

この現状は、高校生一人ひとりの課題と捉えるのではなく社会全体の課題として捉え、彼女ら・彼らを取り巻く環境をよりよく変えていくことで、10代が本来持つ自分の価値や可能性に気付き、力を発揮し、学んでいけるのではないかと私たちは考えています。もちろん、成熟した社会だからこそ物質的な豊かさ(手を伸ばせば物は手に入るような)があり、それは「自分とは違う誰かがやってくれている恩恵」を当たり前に手にできるのかもしれません。しかし、裏を返せば「誰かがやってくれていること」を消費するしかなく、「自らが創り出していく経験」は手に入れづらい。結果、上記のような現状になっていると考えられます。

それらに対して、私たちNPO DNAは「参画」というキーワードに、解決の糸口があるのではないかと考えています。

「思春期世代の健康課題」をテーマとした探究プロジェクト。その過程で生まれる高校生たちの学びや成長を支えながら、どのような課題に着目して取り組んでいくのか?私たちも彼女らとともに学びながら、伴走していきます。

本件についてのお問い合わせはこちらからお願いいたします。

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