×10代

深い学びに到達する10代の学び方は、ノートの取り方に秘訣あり?-主体的・対話的で、深い学び。

先日、授業「総合的な探究の時間」の休み時間に、入学して3カ月と経たない高校1年生と話をしていると、普段、他の授業で取っているノートを見せてくれました。

聞くところによると、このノートは授業「歴史総合」のものとのこと。

【参考情報】
・2022年度からは世界史と日本史を統合して近現代史を中心に学習する「歴史総合」が新たな必修科目となりました。
・「歴史総合」は、「近現代の歴史の変化に関わる諸事象について、世界とその中における日本を広く相互的な視野から捉え、資料を活用しながら歴史の学び方を修得し、現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を考察、構想する科目」とされています。

参考:平成30年3月告示「高等学校学習指導要領解説」等

どうやら、1時間の授業や、単元の授業で、獲得すべき知識等(中心概念)を基に、様々な事柄と関連させながら理解し、学んでいたようでした。

近年、「主体的・対話的で、深い学び」の実現のために、先生方は様々な授業改善をされています。くわえて、学ぶ10代にとっても、自らが「深い学び」に到達するための工夫をしている一部について、上記ノートの取り方からも見て取ることができます。

「深い学び」については、下記のように整理されることもあります。

【「深い学び」とは】

1.知識(知識・技能)の種類
(1) 宣言的な知識:「○○は△△である」「○○ならば□□である」(例:日本の首都は東京である等)の知識のこと。
(2) 手続き的な知識:行為などに関する知識のこと。無意識のうちに出来るようになったテクニック、手順が可能になる知識

2. 「深い学び」の4つのタイプ
(1) 宣言的な知識がつながるタイプ:
多くの知識や情報をつなげ、知識や認識の質を高めていきながら、別々の事実的な知識をつなげていく状態

(2) 手続き的な知識がつながるタイプ:バラバラだった知識が連続されることで、一連のパターン化した知識構造となった状態

(3) 知識が場面とつながるタイプ:得られた個別的な知識が新たな場面や異なる状況とつながる状態。「あそこでもここでも」使われるのではないか、という感覚と気づきを得ながら、問題解決のために自分が保持している知識のどれが使えそうかを選択し、知識を組み合わせていける状態

(4) 知識が目的や価値、手ごたえとつながるタイプ:得られた知識が表面的なものとして表出されるのではなく、自らの目的を達成するものや、「なるほど」「わかった」という達成感。「成長したぞ」と感じる自己有用感につながる状態

参考:「深い学び」2018.4 田村学著(東洋館出版社)

「総合的な探究の時間」では、自らの問いを立て、その問いを明らかにしていく過程を楽しみ、知識と知識、知識と場面、知識と手ごたえ等をつなげていける「深い学び」を創り出していけるように。

そして、たとえば国語・英語・数学といった普段の授業においても、それぞれが学んできたことをつなげていけるようになる姿勢を持ち合わせることができれば、学ぶことが面白いと思えるようになるのだろうと、高校生と、こちらのノートから実感させられました。

※上記写真は、冒頭のノートを取っていた高校生とは別の高校生の発表様子です。

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