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【レポート】「社会に開かれた学びカンファレンス」-これからの教育・学びの未来は?

2019.07.03 活動レポート

2019年6月22日の土曜日、創業15周年を記念して「社会に開かれた学びカンファレンス―これからの教育の未来を6つのテーマから探究する」を開催。当日は、教員、PTA・保護者、学生、高校生、企業等、約140名に及ぶ方々とともに「これからの教育の未来」について考えていく5時間となりました。

※元々は8つのテーマと設定していましたが、参加申込状況により6つのテーマに縮小しました。

来る2022年、高等学校においては、いよいよ新たな学習指導要領が本格的にスタートし、明治以来戦後最大の教育改革とも時代の節目。

当日は群馬の教育を牽引されているゲスト3名のパネルトークを皮切りに、教員・民間・NPO・行政等のお立場で日々教育・学びに向き合う方々を起点とし、立場を越えて参加者全員で“探究”を行いました。

“開かれた学び”によって、未来は拓ける―。

カンファレンスは、代表理事 沼田翔二朗の挨拶から始まりました。

“開かれた学び”によって、未来は拓ける―。

―「2人に1人は『自分に価値がない』という高校生の現状。自己肯定感が低く、“物事はかわらない”と思いがちな10代。私たちは、そんな彼らの学びと成長を支える地域社会を目指すために7,500名ほどの中高生と出会ってきました。」

―「“対話”と“社会とのつながり”を軸にした授業「未来の教室」では、センパイたちとともに未来を語り合います。そうすると『今からでも変われる』と言葉を口にする生徒もいます。私たち大人は「10代は無限の可能性があるんだ」と思っていても、思春期を生きる10代はなかなかそうには思えない日々を過ごしている。だからこそ、中高生を真ん中に、彼らの学びや成長を支えるために、私たち大人が手を取り合っていきませんか」

続いて、カンファレンスの趣旨についてお伝えしました。

―「“社会に開かれた学び”は、学習指導要領の理念として掲げられた“社会に開かれた教育課程”をなぞらえて表現しています。自ら答えを見出す時代、知恵を出し合い、考えを広げ、そこから生まれる学びこそ、日々の原動力につながるはずです」

―「“開かれた学び”は、私たちの考えを開くことから始まり、対話によって深まります。そして、“開かれた学び”は、今まで想像しなかった未来をも拓いていくことにつながるのではないでしょうか。本日は『ともに考え、ともに学ぶ』。カンファレンスが終わった後に、私たちの明日の原動力につながる時間になれたらと思っています」

これからの教育の未来とは?教育を牽引されている3人の考えに迫る。

第一部パネルトークセッションでは、群馬の教育を牽引されているお三方に話を伺いました。

 

大学教育、大学入学者選抜、高校教育の三位一体改革として示された高校と大学の接続改革「高大接続改革」の話を前提にしながら、それぞれの取り組みについてお話をいただきました。

これからの教育の未来とは?教育を牽引されている3人の考えに迫る。

大学は「学びの質」を保証できるか?大学生活で学ぶ意味―。

―1990年頃から日本の大学教育が変わり始め、2000年代に入ってから本格的に変わってきました。その課題意識は「大学進学率が5割を超え、みんなが大学に行く時代だとしたら、“大学に行くこと自体”に意味は無い」ということです。学生自身が「大学に行って何をしたのか、何を勝ち取ったのか、何を学び 取ったのか」という“学びの質保証”を問う。

そう語るのは高崎経済大学名誉教授である大宮登氏。大学教育の転換期について“学びの質保証”の観点からお話をいただきました。

―大学教育が変わらなければ、高校教育も変わらない。高崎経済大学では日本で最初の“地域政策学部”を創り、学生の主体的な学びを確立できるように、地域連携事業や能動的学修等の大学教育の質的転換が行われたのです。


「大学にはできないことがたくさんある」という覚悟-。変わる大学教育。

―15年かけて大学教育の改革に取り組んできましたが、そこには「大学にはできないことがたくさんある」という覚悟がありました。だからこそ、地域社会に大学を開いてきました。地域のみなさんにも学生たちが幸せな人生を歩むための学びや成長を支えていってほしいのです。「地域の未来は私がつくる。」というビジョンを共有しながら、学生自身が理論と実践を行き来し、失敗と成功も行き来するために、学外では地域と一体となり学生を育て、学内では教職員が一体となり大学を創ってきました。

 

続いてお話いただいたのは共愛学園前橋国大学学長である大森昭生氏。ここ数年で取り組んできた様々な教育改革の背景には「できないことがある」という覚悟があったと話されます。県内の高等学校においても支援を行う大森氏は、大学教育の改革は高校教育の改革にもつながる話だといいます。

 

―そしてこの大学教育の改革は、高校教育の改革につながると考えています。“高大接続改革”は単に入学試験の改革のことを指すものではありません。“学びの接続”なのです。

 

2030年を見据えて「未来を拓く人」を育てる高校へ-。公立高校の挑戦。

生徒が社会で活躍していく2030年を見据えてみると、高校生として身につけておく力は、主体性や探究心等であることを、教職員全員で考えました。その力を身につけていけるため、授業では生徒自身が主体的に参加できるように、ペア学習やICT環境を整えて行いながら、自ら学びを創り出せるようにと、先生方がチャレンジしています。

 

最後にお話いただいたのは群馬県立高崎北高等学校 校長である丸橋覚氏。公立高校における改革の挑戦について話をいただきました。学力の三要素(①知識・技能、②思考力・表現力・判断力、③主体的な学習態度)を前提に、育てたい資質・能力を身につけられるように授業改善などを行っているといいます。

授業の様子についても写真等を提示いただきながら、公立高校のいまについて参加者全員が理解を深めました。

 

「未来を拓く人」を育てる高崎北高等学校として、3年間を見通した探究型キャリア教育も含めて、公立高校で取り組んでいる最中です。

その後、沼田も加わりパネルトーク。

 

「これからの教育の未来を担う私たち教員・大人に大切だと思うことは?」という問いに対しては、次のようにお答えいただきました。

【大宮氏】 ①自分自身の成長や姿を ②向き合う存在として対話・対決・対峙 ③意識的にそのような場づくりを

【大森氏】 ①教えない勇気と待つ忍耐 ②われわれ自身が社会と接続できているかどうか

【丸橋氏】 ①生徒が社会でどのように過ごしていけるのかを想像しながら関わる ②学びを先生から生徒に返すこと

 

大宮氏は日頃からPTAや地域活動、清掃活動も行い、「権威に頼らず人として当たり前なことを行うことをする」と、“教員”である以前に“ひとりの人として”という姿勢を問うてくれました。

 

大森氏は「教えない勇気と待つ忍耐」について「小さい頃は子どもが自分で靴下を履こうとしているんだけれど、出かけなきゃいけないけない…それをどれだけ待てるかは、子どもにとって成長のチャンスです」と子育ての話に触れながら答えてくれました。

 

パネルトークをグラフィックでまとめて、ゲスト・参加者一体でこの時間を創り上げた

パネルトークも終盤。

最後に「教育・学びの未来は?」という対して丸橋氏からは「相互成長がポイント。先生も学ぶし、生徒も学ぶ。関わる大人も学ぶし、お互いに学び合うことが大切になってくるのではないか」と話し、パネルトークを締めくくっていただきました。

 

そして参加者全員が、ともに考え、ともに学ぶ探究セッションへ。

 

教育の未来を、6つのテーマで探究する。

第二部探究セッションでは、6つのテーマに分かれた分科会。教員・NPO・行政・民間と様々な立場のホストによる「問い」を提示しながら、参加者全員で対話を通じて、それぞれの教育・学びの未来について探究しました。

 

教育の未来を、6つのテーマで探究する。

高校生を始め多様な立場の参加者同士が、お互いの考えを開くことによって生まれる学びは、日々悩みや課題を解決するためのヒントになったり、すぐに実践ができることにもつながる。

時に「こう考えたらどうでしょう?」と提示されることによって、日頃常識に囚われていた考えから離れたところで考え直し、新たな学びが創り出されているようでした。

このお互いのやり取りを“初めまして!”でも出来ていたのは、ホストが心理的安全性の高い場づくりに努め、参加者同士の信頼関係が醸成されていたからのように感じます。

探究したテーマと、起点となったホスト(担当)。
【テーマA】高校生・保護者・教員、みんなで語る!未来の高校教育とは?
探究したテーマと、起点となったホスト(担当)。
【テーマB】子どもたちが前向きな未来を思い描くために、地域の大人ができることってなんだろう?
【テーマC】学校以外の“学びの選択肢”?子どもが安心して学べるフリースクールの可能性とは?
【テーマD】教育のチカラを最大化するために!これからの学校と地域・企業・大学の連携の形とは?
【テーマE】人生100年時代における「学び続ける力」の大切さと、育むための私たち大人の役割とは?
【テーマF】ともに悩もう、ともに語ろう!将来や人間関係で『困った』と感じている子に対して、私たちができることは?
参加者全員で、対話を通じて学びを振り返る-。
参加者全員で、対話を通じて学びを振り返る-。

第三部ダイアログセッションでは、DNA事務局長 辻岡の進行のもと、参加者全員による振り返り。4人一組に分かれて、お互いのテーマで話し合われたことを共有したり、自分自身が向き合っていることについて話し合いました。

30分と限られた時間ではありましたが、その時間の密度は濃いものでした。

保護者の気持ち、教員の考え、学生のアイディア、高校生の意志、働く大人の姿勢、そしてひとりの人として大切にしたいこと。

机に貼られた模造紙を活用しながら学び合うことも見られました。それぞれの考えを、みんなが確認できるように書き込む。こんな学びの姿もあるのですね。

マイクを渡してそれぞれからの学びを共有。

「インターンシップを行うという取り組みを聞いて、東京にいくのがいいと思っていたけれど、実際に地元を知ってから考えてみたくなりました」と話す高校生もいました。

あなたにとって学びとは?

カンファレンスの最後は、最初から最後まで全体の進行を務め上げた学生職員の櫻井からの挨拶で締めくくりました。

あなたにとって学びとは?

―今日ひとりひとりが探究した先にあるのは、ひとりひとりの1歩だと思います。それぞれの日常で歩み、またお会いできた時には、学び合えたら嬉しく思います。本日はご参加いただき、ありがとうございました。

 

 

こうして終わった「社会に開かれた学びカンファレンス」。

参加者のみなさんにとっての学びは何だったのでしょうか?

詳しくはこちらをご覧ください。

終わりに、2022年を迎えるにあたって-。

明治以来戦後最大の教育改革とも時代の節目。その学習指導要領の理念に掲げられた「社会に開かれた教育課程」。これからの教育の未来を見据えて、ここ群馬で実現していくためには何が必要なのでしょうか?

 

「育てたい資質・能力」、「地域連携」、「高校魅力化」、「授業改善」…

 

必要なことはたくさんあるかもしれません。

私たちDNAは、「社会に開かれた教育課程」を実現していくために、まず必要なことは様々な人たちが立場を越えた「対話」「信頼関係」であると考えています。

 ここ群馬で、学校と社会をつなぐ役を担い、群馬の10代が意欲としなやかな心を育むことのできる教育活動を展開してまいります。

 

ともに考え、ともに学ぶ。
そんなこれからの教育の未来を目指して。

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