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いまの高校生が探究したいこと?-学びに向かう「問い」の事例

2019.03.07 授業レポート

NPO法人DNA事務局です。教育現場で「探究学習」が進んでいます。

 
「与えられた問い」「降ってきた問い」ではなく、「自ら立てた問い」

興味・関心、疑問・もやもや、不安、好きなこと、得意なこと等といった様々な観点から「問い」は生まれてきますが、一体いまを生き、未来を担う高校生はどんな「問い」を立てていくのでしょうか。

 

本記事では、「探究学習」の導入として行った授業で、実際に生徒自身が立てた「問い」について紹介します。

 

■いまの高校生が探究したい「問い」?

この授業で、「探究学習」における「問い」のつくり方のポイントとして設定したのは、つぎの2つでした。

・ポイント1「原点を見出すこと」

・ポイント2「浅い問い」よりも「深い問い」

【授業レポート】「探究学習」における「問い」のつくり方。-高等学校における事例

■いまの高校生が探究したい「問い」?

これまでの授業で高校生は、自分を振り返ったり、先輩から学びを受け取ったり、映像授業を使って最先端の学びの面白さを知ったりと、様々な観点から自分の「問い」を立てていく学びの過程を経験しました。

「原点」を見出していくこと。

それは外から提示されたものではなく、自分の内側から湧き出るものから深く探究していくためのスタートラインに立つことです。

 

―「買いたい」という気持ちはどこから生まれるのか?

遊びに行ったり、買い物に行ったりしたときに気がつくと、千円札が減っていることから、どうして買ったのか?買いたいのか?を探究していきたい。経営側の「買わせる」メカニズムを知りたい。

 

―「2020年に向けて教育が変わるというが、具体的にどう変わるのか?」

自分の将来の夢である「学校の先生」になるということに関して、たとえば、新しい教育によって学校の教育方針が大きく変わるかもしれないし、最近ニュースなどでよく聞くが、生徒がタブレットを使って、授業するなどといったこともある。それにより、「先生」という存在の需要性が問われることになるかもしれない。つまり、これからの将来、黒板にチョークで字を書き、生徒に授業をする先生はいらなくなるのではないかと思ったから。

―「元野犬や捨て犬などは保護されたらどうなるのか?」

自分が今飼っている犬は動物愛護協会から引き取った元野犬なので、引き取り手のいない保護犬、猫はどうなってしまうのかを知りたいから。また、どうすれば殺処分をまぬがれることができるのかを考えてみたいから。

 

―「食物アレルギーを気にせずに、食事を楽しむにはどうしたらよいか?」

私は食事をするのが好きだけれど、もし食物アレルギーがあったら、口にすることができる料理の幅が狭まってしまうし、もし食物アレルギーをもっている人と食事をする時に同じに料理を楽しめなくなってしまう。将来、管理栄養士になったら、より多くの人に様々な食材を楽しんでもらいたいから。

 

―「今ある小説、雑誌、漫画などの本はこれからどうなっていくのか?」

私は本を読むことが好きで、特に読んで手元に残る紙の本が好きだ。でも最近は、電子化が進んでいて紙の本が減っているということを知った。いますでに少なくなっているのに、これから紙の本は全てなくなってしまうのか?を考えていきたい。

―「なぜ同じ大陸で違う言語が話されているのか?」

自分は、今は英語が好きで一番の得意科目であるが、最近ふと思ったのが、なぜ日本語というものがあるのに、英語を話さなくてはならないのか、ということだ。第一、ユーラシア大陸なんかは1つの大陸で多くの言語が存在している。同じ大陸にいて、なぜそれぞれの国が独自の言語を所有しているか、とても疑問に思ったから。

 

―「“埋蔵文化財”は、社会にどのように影響を与えたか?」

自分は小学生の頃から歴史に興味を持ち、さまざまな遺跡、文化財などを見てきた。その中で、発掘された遺跡の上に道路などが建設され、何とか保存することはできないかと疑問に思ったから。

 

―「宇宙と人間はこれからどのようにつながっていくのだろう?」

月への移住計画や宇宙エレベーター、宇宙旅行など、さまざまな技術革新によって、宇宙と人間の距離が縮まっているのを知り、これからの宇宙と人間との関係がどうなっていくのかを知りたくなったから。

―「怪我をしないために、準備運動やダウンはどのくらいの時間をかけてすればよいか?」

自分は練習中に怪我をした。医者に行ったら、筋肉が硬くなっていると言われたので、自分の体と向き合ってみると、体を動かす前の準備運動や動かした後の体のケアにかける時間が短いと感じた。プロ野球選手や他のスポーツ選手の体のケアについても知りたい。怪我をしたばかりの時はあせって深く考えられなかったけど、なおってよく考えてみたら体のケアについてよく考えていなかったことに気づいたので、今は前よりはしっかりケアをすることになった。

 

―「コンピューター化が進んでいる現在、学校に来る必要はあるのか?」

今の時代、何でも携帯とかで調べれば知りたいことを知れたり、計算だってやってくれるのに、わざわざ学校に来て学ぶ理由って何だ?と思ったから。

■対話を通じてお互いに探究し合う-。

「問い」を設定する過程においても、個人で考え、友達に問われ、さらに深める…という探究のプロセスを経験していきます。

そして、「問い」を設定した段階で改めてアウトプットする。その一連の学びの過程、特に対話を通じてお互いに探究し合うことで、高校生自身が「学ぶことって面白い」「もっと深めていきたい」という気づきが生まれてきたようでした。


―周りの人が興味をもっていることを聴いて「自分もそれ知りたい」と思うことが何回もあった。興味がたくさんあることはわかったけど、やっぱりまだ自分の一番深い興味のある問いには届いていない気がする。もっともっといろんなことに触れて本当の問いを見つけたい。

 

―皆の発表を聞いてみて、自分も興味をもった問いがあった。お互いに質問しあって問いをより深められたのが良かったと思う。問いのこと以外にも、発表の雰囲気や他のクラスの人との関わりが持てて良かった!

 

―他人の問いを知ることで学べた気がしました。一人で考えるよりも多勢で考える時の方がより明確に問いがわかっていく気がします。

 

―自分で何言ってんだかわからなかった。なので、もう少しまとめてしゃべれるようにしたい。

 

―自分の中で問いを深めることで身近な変化に気づけたり、新しい自分を知れたりしたので良かったです。これからの探究も有意義なものにしたいです。

 

―これまでの授業でやってきたことが、実を結んだと思った。自分自身が問いを調べ、みんなに発表するということは、とても大変だったが、とても良い経験ができたと思った。

 

―みんな自分の経験や体験を主軸として問いをつくっているのに対して、ぼくの問いには「教育」という少し自分との接点が少ない問いをつくってしまっていると感じました。

 

―前よりも自信が持てるようになったし、やるからには納得のいく答えを探していきたいと思える時間でした。まわりの人も、自分の身近なことや将来につなげる人もいたので、頑張ってほしい。

 

―自分で考えた問いを発表、相手の問いを聴くこの1時間は、誰もが思ったことのある疑問やそういえば…という問いがたくさんあり、発表や考え方も多種多様でとても有意義で楽しかったです。

 

―自分だけでなくいろいろな人の問いをきいたおかげで、「自分が取り組んでいきたいこと」を深めることができたと思います。

 

―みんなジャンルの違うテーマで問いを考えられていて、聴いていてとてもおもしろかった。自分も納得のいく発表ができて良かった。自分の考えていること、思っていることを言葉に表し、相手に理解されるように伝えることはとても難しいと思った。

 

―気になることをそのままにせず、詳しく調べ上げて自分なりに答えを出すということは、今回に限らず、どんなときでも重要なことだと思うので、良い機会になったと思う。これからも深く考えていきたい。

 

―自分の視点とは違う角度から物事を捉えているからこそ見つけられた問いを聴けました。自分の考えていた範囲よりも、もっと深いところまで考えれている人がいて、自分の問いをもっと深めてみようと思いました。

 

―ひと段落ついた解放感と、来年の発表に向けて調べていくなかでどんなことを知っているのか楽しみな気持ち。将来的には技術が進歩してどこまでいくかわからないけど、いつかこの問いが役に立つといいなと思った。

■対話を通じてお互いに探究し合う-。

授業終わりのガイダンス資料。3月は高校入試などで授業時間が取れないため、それぞれの時間を使って、1アクション1ラーニングした状態で4月を迎えることをアナウンス

■豊かな学びには、社会とのつながりが必要-。

高校生たちは、これから本格的に探究をしていくことになりますが、豊かな学びには、社会とのつながりが必要です。

 

■「教育改革について、担任の先生はどう考え、他の学校はどんな工夫がされているのか?」

■「自分の身の回りで、野良犬を保護する施設があるのか?あるとしたらどう保護しているのか?」

■「食物アレルギーを気にせず、外食ができるお店は、地元にあるのか?」

■「近所の書店は、店を畳むことになってしまうのか?」

 

 

高校生が社会とのつながりを手にしながら、豊かな学びを創り出していくための探究学習。

「問い」を立てたことでスタートラインに立った高校生たちが、どんな学びを創り出していくのか、これからますます楽しみです。

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