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代表顧問インタビュー「いまここで、やるべきことを全力で!」

2017.01.01 その他

★本記事は、2015年5月に当時大学生であった学生メンバーが、代表顧問・大宮にインタビューした内容を、ウェブリニューアルに伴い、一部加筆・修正を行った記事です。


■「じぶんが将来何をしているかイメージが湧かない」
■「やりたい仕事が見つからない」
■「興味がある仕事は見つけたけど、実際の仕事内容はよくわからない・・・」

このようなことを感じている学生の方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか? 
そこで今回は、DNA創設者であり、社会学者でもある代表顧問・大宮登(高碕経済大学名誉教授)に、学生時代に熱中したこと、大学教員という仕事のやりがいやキャリア研究について、また職業選択をする上でのアドバイスもいただきました。

■学生時代の読書は自分の世界観を広げた!
■学生時代の読書は自分の世界観を広げた!
【紹介】 高崎経済大学名誉教授。山形県出身、同大学卒業、慶應義塾大学大学院社会学研究科修了(社会学修士)。短期大学教授などを経て、1996年から高崎経済大学教授に着任。同大学地域政策学部長や学生部長、副学長などを歴任。2017年3月末をもって、定年退職。これまでの公務は、地域活性学会会長、日本地域政策学会長、全国生涯学習ネットワークフォーラム実行委員会座長(文部科学省)ほか多数。2004年に特定非営利活動法人Design Net-works Association ( DNA )を創設し、以来、代表顧問として活動を見守る。

――先生の学生時代についてお聞きします。学生時代は何に熱中していましたか?

大宮 そうですね。一番は本を読むことです。下宿先の人たちがみんな本を読むのが好きで、それに影響されました。高校まではスポーツ少年で、体育会に所属していました。だからこそ飢えていました。知らないことを知ることの面白さにはまり、ずっと本を読んでいました。読んだ本をもとに手紙を書いたり、議論したりしていました。自分が知らない世界が本を通じて広がり、自分の世界観・人生観が変わっていくことがうれしかったんだと思います。

ジャンルにこだわらず、経済学、社会学、政治学、文学、心理学、生態学、哲学、文化人類学、動物行動学等、次から次へと読んでいました。特に印象に残っている本は、たくさんあるのですが、強いてあげるのなら、マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』や河合隼雄の『無意識の構造』です

――学生時代にやっておけばよかったと思うことはありますか?

大宮 あんまりないですね。全力で駆け抜けました。やりたいと思ったことは皆やりました。アルバイトも大学生の時に30種類くらい経験しました。家庭教師、ゴルフのキャディー、道路工事、百貨店、国鉄、製造、書店、飲食店、病院などありとあらゆる職種の仕事をしました。良い経験になりましたね。旅行も、一人旅で休みのたびに出かけました。北海道や四国、兵庫、和歌山などは思い出深いですね。

■キャリア設計とは人生全体の設計(ライフキャリア)である

――先生が研究されてきたキャリア設計とは、どのようなものなのでしょうか?

大宮 今一番大切なのは、キャリア設計をライフキャリアという考え方をとっていることです。以前は例えば国の職員のキャリア組とノンキャリア組という表現に代表されるように、ある職業で高い地位や影響力のある地位に上りつめることをキャリア形成、キャリアアップと言われていました。職業生活の中で高い地位に昇ることをキャリア形成という風に考えられてきたけれども、最近は人生全般を設計することがキャリア形成であると転換しています。仕事でどんなに偉くなっても、幸せでない人もいる。仕事も大事だけれど、家族や友達や地域の人との人間関係も大事ですよね。

だから今は、キャリアを仕事だけでなく、ライフキャリアとして人生設計に近いような観点からキャリアを考えようというキャリア設計の考え方が主流になってきているといえますね。人間生活を丸ごと考えるのがライフキャリアなのだと考えています。

――なぜ、前の考え方から今の考え方へと変化してきたのでしょうか?

大宮 そうですね。スーパーやシャイン等のキャリア研究者たちの理論の深化もあるのですが、現実面でも、「仕事人間」では人生が豊かになれないからではないでしょうか。やっぱり仕事人間になって、「24時間戦えます」ということで頑張っても、ストレスが溜まりますね。家庭は奥さん任せ、「自分はもう仕事だけで生きるのだ」という生き方がいろんな問題を起こしてきています。人間が生きるっていうことは仕事も大事だが家庭も大事。また、地域の中に住みながら、ただ家に寝るためだけに帰って、地域に住みながらコミュニティに関して全く知らないっていうのは生き方としていいのだろうか。

そこでワークライフバランス、仕事と家庭をバランスよく生きる大切さが広がったのではないでしょうか。ものすごく仕事が忙しいときは、家庭のことになかなか時間がさけないっていうのはあるかもしれないけど、やっぱり、自分の生き甲斐、自分の仕事の専門性を高めることや会社の成長を考えることと、自分の家族や地域の人と暖かな関係を築いて、人間として幸せに生きるということをトータルに考えていったほうがいいのではないかと思います。


新しいサービスとか新しい商品を作るときって、けっこう会社以外の人とのネットワークでいろんなアイデアをもらったほうがいいサービスや商品が生まれるっていう時代でもあります。趣味の仲間とかそういう仕事以外の人と人とのネットワークというのがとても仕事にも生きてくる。だから仕事だけを大事にするのではなくて、その地域でのつながりのような仕事以外のつながりをたくさん持っている人は意外と仕事のアイデアを作っていくチャンネルをいっぱい持っていますね。

■大事なことは節目で振り返ること、「いま、ここで」を全力でー。
■大事なことは節目で振り返ること、「いま、ここで」を全力でー。

――キャリア設計で大切なことは、どんなことでしょうか?

大宮 節目節目で今、自分が何をやっていて、何が得意で、何が不得意で、何をやりたいのかを考えることです。何がやれなかったのかっていうのかを振り返って、これから何をしたいのかっていうのを考える、それがキャリアなんです。今まで全然やってこなかったとんでもない夢を突然思いついてもなかなか実現できません。キャリア形成は、今まで生きてきた道(轍)を踏まえて考えます。今まで生きてきた道の中で、自分が全然やれなかったことではなくて、今まで自分が歩んできた道の中から未来を考えるということが必要だと思います。

たとえば、みんながやっていると思うけれど、正月に、前年の1年間を振り返り、今年一年間、新たな気持ちで頑張る目標を3つ立ててみるというようなことが、キャリア形成の基本なのだと思います。

――今まで自分がどうだったかを考えるときは、どんな振り返りをしてみるとよいのでしょうか?

大宮 振り返り方はいろいろあります。中学や高校生活で、一年間終わった3月に、1年間の出来事を振り返って、勉強面、生活面、部活などで頑張ったことは何か、やろうと思ってできなかったことは何か、どんな人と出会って、どんな影響を受けたのか、初めて出かけたところはどこか、等を振り返ってみます。

大人であれば、仕事ではどれだけ目標通りになったのか、どんな成果を出したのか。また、自分の家庭の中での役割はどうなのか。あるいは、社会的な場面(仕事や家庭以外)でどれだけ信頼できるつながり、ネットワークをつくれたのかということでもいい。

また、別の視点からいうと、予定したことがどれだけ予定通り実現できたかという振り返りもあるし、逆に、自分が全く予定していなかった出来事がどれだけ発生し、どんな影響を受けたのか、という振り返りも面白いかもしれないですね。生きていると予想外のことはたくさん起きて、むしろ予定されたこと以外の出来事のほうが自分の人生の豊かさにつながったりしますので。

――節目にキャリア設計や目標を考えるのは、できるだけ若い時からやったほうがいいのでしょうか?

大宮 ここまで話をしてきましたが、自分自身のことを振り返っても、若い時はあまり真面目にプランニングしないほうがよいと思います(笑)高校生の時になりたいと思った職業に、実際に就いた人は2%だったという調査結果もあるように、社会の中の仕組みをあまり分からないままに、中高生がプランニングをするのは難しい。
たとえば、中高生の場合だと計画的に生きることよりも、“Now & Here!”(いまここで!)の精神の方が大事です。勉強でもサークルでもあるいは趣味の世界でも、今やりたいことや目の前のことにできるだけ前のめりに一生懸命やった方が自分の財産になります。失敗も色々もあるし、思い通りにならないこともあるけれども、目の前のことをすっと流すよりは今ある自分のいろんなこと、やりたいことを一生懸命やった方がいいです。


そして、できるなら継続したほうがいい。継続は力なりです。なぜ継続したほうがいいかっていうと、それがやっぱり自分の自信につながるからです。中学生や高校生って何が自分にとっていいのか、社会の中で何が起きているのかということがなかなか見えにくいと思います。見ることができる世界って限られています。

だから、今取り組んでいる部活とかサークルとか趣味を続けて小さな成功体験を積み重ねて、これが自分の大事なものなのだと気づくと、自分の信頼感につながる可能性がある。みんな中途半端だと、自分はなにもできないという自己否定感につながるので、頑張ればなんとか乗り越えられるという自己信頼感を何らかの形で作ってほしいなと思います。

僕は中学、高校でバレーボールやってきました。インターハイに出るような強いチームの副キャプテンをやっていました。6年間相当大変な練習をして、大変なトレーニングを続けてきたことは、やりきってきてよかったと思うし、自分にとってすごく自信になっています。部活で頑張って得た自信が、勉強でも、仕事でも、色々な社会活動をするときも、そこで粘っこさをもって、簡単にはへこたれないぞという姿勢が生まれました。そういうことが大切だと思います。


少しずつ大人になり始めたとき、少しずつプランニングをしていけばよいのではないでしょうか。

■閉ざす必要は、ない!
■閉ざす必要は、ない!

――若いうちは何もかもプランニングするというよりは、目の前のことややりたいことに継続的に向き合い、自信にすることが大切なのですね。

大宮 そうですね。粘って自信をつけることですね。
そしてもう一つ大事なことがあります。機会があれば、色んな人と出会うこともとっても大事です。日ごろ行かないところに誘われた時には、行った方がいいです。一つか二つ、自分が粘っこく夢中になってやっていることを持ちながら、普段全然関係ないところに誘われた時に、全然興味がないから行かないのではなくて、できたら行った方がいいですね。何に出会うかわからないですからね。意外と興味のないイベントに行ってみると、そこで本当に自分がやりたいことが見つかることもある。

だから、閉ざす必要はないのです。好奇心が自分を成長させます。

キャリア研究者であるグランボルツの理論「計画された偶然」ではないですが、ほんとに自分のこれまでの人生を振り返っても会う予定のなかった人と出会いが、自分の人生を大きく変えています。たまたま偶然出会った人とのネットワークが自分の人生を広げているっていうことが、たくさんありますよね。
だから、閉ざす必要は全くないのです

――最後に、大宮先生がこれから挑戦してみたいことは何ですか?

大宮 もうすぐ定年なので、40年間勤め上げた大学「教授」としてではなく、ひとりの「市民」として、頑張る若手のメンバーをサポートしたいと思っています。退職しても、次世代の支援を続けていきたいと思っています。


あとは、私はスキーを蔵王で習得したのですが、スノボーはやらなかったので、挑戦してみたいです。ちょっと無理かな?(笑)

 

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