【インタビュー記事】まちを、みんなを元気に。富岡げんきフェスタから見えるまちづくり | NPO法人Design Net-works Association

【インタビュー記事】まちを、みんなを元気に。富岡げんきフェスタから見えるまちづくり


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■富岡げんきフェスタ

名前を聞いただけでも富岡のエネルギーが感じてきそうです。

富岡げんきフェスタ(以下げんきフェスタ)は毎年5月の中旬に富岡げんき塾主催の「まちなか文化祭」。今年2015年は5月16日(土)に第17回目の開催となりました。

DNAも10年以上関わらせていただいて、今年は2月末からの準備段階から携わり、参加してくださる学校やお店に挨拶回りをしたり、のぼり旗や机などの準備、チラシ配りなどを行ってきました。ブース企画としては小さなお子さんを対象にしたストローを使ったおもちゃづくりのプログラムを実施。学生スタッフとして、20名ほどの大学生が100名を超える子どもたちと関わり、一緒になって体験してきました。

 

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第1回目を開催してから17回。今では群馬県内はもちろん、県外からもたくさんのお客さんや仲間が集まり、たくさんの“げんき”の源となっています。しかし、そんなげんきフェスタも、開催当初は来場者がなんと0人だったそうです!そんな紆余曲折のストーリーを、今回はお楽しみ下さい。

 

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入山寛之さん:富岡市出身。富岡市にある呉服店いりやまの店主で、富岡のまちを元気にしようと集まった市民団体、「富岡げんき塾」の代表、げんきフェスタの主催者。


 

 

 

■「まちを元気にしよう」

群馬県の西部に位置する、富岡市。高崎駅から上信電鉄に乗り40分。妙義山の東に位置し、市内には鏑川が流れ、世界遺産に登録された富岡製糸場があります。そんな富岡市は自然に恵まれ、絹織物が有名です。

今は世界遺産に登録された富岡製糸場に訪れる観光客で賑わっていますが、登録以前は人通りがまばらな寂れた街並みでした。

 

そんな富岡を元気にしようという思いから、入山さんが平成11年から始めたのが「げんきフェスタ」です。

富岡の公園などで、各団体がフリーマーケットや体験ブースを出店したり、ステージで演奏したりと、市民の力で富岡を盛り上げています。

 

「げんきフェスタ」の始まりは、平成10年10月。富岡のまちを元気にしたいという思いを持った人が集まり、まず「富岡げんき塾」ができました。この時入山さんは、周囲の人々に「富岡げんき塾」の存在を知ってもらいたくて、団体ができてから半年後の平成11年3月、「第1回げんきフェスタ」を開催しました。

 


 

入山さん まちを元気にしようと思って始めたけど、最初はどうやったら元気になるか、全然分からなかったですね。それでも何かやらなきゃ、何か行動を起こさなきゃ、と思いましたね。

 


 

第1回のげんきフェスタは小規模なものでした。当時フリーマーケットが流行っていたので、30メーター×30メーターのスペースにフリーマーケットを5,6店出店。スタッフ数も10人ほどでした。しかし来場者は誰も来なくて、とてもさみしい第1回目だったそうです。

 

 

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■「いろんな人に出会うために、続けること」

そんな第1回目でしたが、「あれやりたい!」「これやりたい!」という人々をどんどん巻き込んでいき、現在では富岡市内外、はたまた群馬県外からも参加者が集まり、会場の三角公園は大いなる盛り上がりを見せています。

 

 


入山さん 17回やってきた中で一番思い出深いことはこれといって思いつかないですけど、げんきフェスタを通じていろんな人に出会ったことが印象に残りました。そのためにはイベントを続けることが大切だと思います。こうすれば絶対に人が来る、という方法は絶対になく、何かいいきっかけがあって人が集まってくるものだと思いますね。


これまでのげんきフェスタは各々が好きなことをやっていて、それを入山さんやもう一人の主催者である、土屋さんが手伝う、という流れになっていました。入山さんは今後、イベントの形態は大きくせず、イベントの仕組みを変えていこうと考えています。

 


入山さん もう少し「こうしたい」「あぁしたい」って自分から動ける人がどんどん増えていくといいですね。運営側が楽しようとは思ってないけど、そうするともっと面白くなると思います。


 

このような仕組みは待っていてはいけないと思い、入山さんはいろいろ考えます。そして今年は、僕たちDNAの担当者2人にげんきフェスタの準備段階から携わって体験してもらう、という行動を起こしました。このように入山さんは試行錯誤しながら、そしてチャレンジをしながら活動をしてきました。

 

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■「大切なことは、何がしたい?どこを目指す?誰のためにやる?

そんな入山さんが“まちづくり”について大切にしていることがあります。それは「何がしたくて、どこを目指しているのか、あと誰のためにやっているのか、忘れない」ことです。

 


入山さん 何となくですけど、結局人が大事ですから、イベントや日常で、人が会って「おう」って挨拶ができたりする状態がたくさん増えていけたらいいですね。別にイベントに参加するとかしないとかではなくて、そのような挨拶できる環境になれば、また全然知らない人がそこに入りやすい、なんか温かいなって思える環境になればいいですよね。


そのような環境をつくるためには、続けること、無理をしないこと、お金・助成金をもらわないこと、偉い人にうまく利用されないこと。そして無理に誘わないこと、褒めること。入山さんは人を誘うとき、無理に誘わず相手に選択肢を投げ断りやすいように誘います。そして褒め殺しです。誰でも褒められると嬉しいですし、そうすると頼まれなくても手伝いたくなりますよね。

もう一つ、小さいことにこだわること。イベントで言えば、誰かが楽しい話をしていたのを何かに応用することです。

 


入山さん 例えばスマ富(注1)の富オケ(注2)で言うと、年配の人がみんなで歌詞カード持って歌うって。そういうのを再現したくて、富オケというのができました。そんな感じで楽しそうに話してるのを何かイベントのきっかけになればいいと思いますね。


 

 

 

 

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打ち上げを兼ねて取材しました。

【感想】

今回入山さんにインタビューをして、「思い」を大切にし、とにかく何か行動を起こすことが大切だと思いました。「まちを元気にしよう」。この「思い」を起点に入山さんはげんきフェスタを始め、現在のような盛況に至っています。どうやってまちを元気にするのか?などの方法はあとから考えるのでもいいのではないでしょうか?思い立ったらまずは行動に起こすこと。そして続けていくこと。方法は続けていくうちに見えてくる。入山さんからそんなことを教わったと思います。

 

注1:平成24年から始まった「富岡まちづくり・人づくりプロジェクト」を運営するチーム。

注2:スマ富の企画の一つで、富岡のまちなかにある空きスペースを使って、一緒に歌を歌い楽しむ企画。