夏休み最後の思い出~ピザ窯ワークショップ~ | NPO法人Design Net-works Association

夏休み最後の思い出~ピザ窯ワークショップ~


だいぶ今さらになってしまいましたが、
先ほど投稿したようなイベントをDNAは毎月城山小学校の学童クラブでやらせていただきました。
その第一弾のレポートをここでお届けします。

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夏も終わりに近づいている8月28日のことだった。
その日は、朝から本当に肌寒い一日だった。数日前から悪天候が続いていたが、この日、私たちDNAは予定通り、今年の4月からお世話になっている高崎市内の城山学童で「ピザ窯ワークショップ」を行った。

このワークショップ全体の狙いとして、「友達の良いところを発見し、互いに認め合える体験をしよう」というものを設定した。

①始まりの会

学童の子どもたちに当日のスケジュールやルールの掲示を行った。DNAの学生メンバーであらかじめ決めておいた4人ずつ4グループの班編成を子どもたちに紹介した。

高学年の子どもたちには、各班のリーダーとして班をまとめてもらい、低学年はみんなで楽しく協力し合ってもらいたいという思いも込めた班編成となっている。

班編成には不満も出ず、スムーズにスタートすることができた。誰と一緒でもそれなりにうまくやることができる。ここの子どもたちは知らず知らずのうちにそういう力を付けているのかもしれない。

②ピザ作り

始まりの会を終えると、早速準備しておいたレンガを用いて簡易ピザ窯を組み立てました。
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【写真:大学生が中心となり、ピザ窯の組み立てや薪の準備をする様子】

火起こしなどは学童の担当者に協力をお願いし、その間、子どもたちは班ごとに分かれ、あらかじめ準備しておいたピザ生地の上に具材を飾りつけてもらった。

「高学年を中心に、グループで話し合ってトッピング内容を決めること」というルールを決めた。
そして、班ごとに完成したピザ生地をピザ窯に入れて焼いた。

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【写真:ピザのトッピングをしている様子】

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【写真:焼き上がりを待つ子どもたち】

いよいよ焼きあがったピザをテーブルの上で開くと、歓声があがり、自分たちの作ったピザを誇らしげに他の子どもたちに見せていた。

自分だけでなく、友達と考えながら作り上げたピザだからこそ、子どもたちにとっては単なる食べ物ではない、また別の価値が生まれるのだろう。一つ一つ均等に切って、仲良く食べる姿が大変印象的だった。

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【写真:焼きあがったピザ】

③班ごとに片づけ

ここでも、班内の誰かに任せてしまうのではなく、分担してルールを守って片づけることを子どもたちに促した。

お皿を洗う人、お皿をふく人と役割を振ると、とんとんと片付けは進み、自分からやる姿勢をいかんなく発揮する子どもたちもいた。自分の納得がいくまで丁寧にやる子、すばやく行動する子、ニコニコとしていてマイペースな子もいる。

普段の様子からでは判断しきれない一人一人の良さと個性が生きていた。

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【写真:片付けの様子】

④終わりの会

終わりの会では、みんなでワークショップの感想のシェアをした。
「うれしかったこと、がんばったこと、がんばっていた人、むずかしかったこと」などのテーマを設け、一人一人が全員の前で発表した。

ここで意識したことは、
「発表は静かに聞くこと、一人の発表が終わったら、全員で拍手をすること」の二点だ。

自分の話を人に聞いてもらうこと、そして時には自分が相手の話をしっかり聞くという双方向の姿勢を、こどもたちに体験して欲しかったという狙いがある。

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【写真:感想発表で手を挙げる子】

元気よく手は上がるものの、いざみんなの前で発表するとなるとほんの少し恥ずかしいようだった。急にしんと静まり返る室内に思わず口ごもってしまう。

しかし、「うれしかった」「楽しかった」と一言ずつ口にされる言葉とその表情を見ていると、聞いているこちらの胸にじんとしみるものがあった。

一生懸命な人の一生懸命な気持ちは、一生懸命聞いていたみんなにもきっと伝わっただろう。

子どもたちにとっての初めての体験がたくさん詰まったピザ窯ワークショップになったのではないだろうか。

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【写真:最後にみんなで撮った集合写真】

後日、今回のピザ窯ワークショップに関わったお二方に話を伺った。

「学童は、学校でもないし、家庭でもない、限られた空間。」

そう語ってくれたのは、城山学童を運営している中心的存在の一人である桜井昌子さんだ。ピザ窯つくりの発案から実施まで、様々な協力をして頂き、私たちの初の試みを成功させることができた立役者的存在でもある。

「子どもは、自分の手で育てるのが一番だと思っていた。学童は自分が育てられないから仕方なく入れるところだと思っていたけど、学童のようにいろいろな人と関わった方が子供は幸せに育っていくと、学童に来てから学んだ。学童は、学校でもないし、家庭でもないし、限られた空間。」

20人にも満たない少人数の学童だが、だからこそ生まれる温かさがあり、学校とはまた一味違う雰囲気が生まれている。
桜井さんは13年前から城山学童に携わっているそうだが、学童という場所は、桜井さん自身の人生観をも変えた場所なのだという。

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【写真:学童で子どもたちの成長を見守る桜井さん】

そして次に、今回の城山学童でのピザ窯ワークショップの発案から企画実施を担当したDNA3年の大村駿介が今回のワークショップを行おうと思ったきっかけを話してくれた。

「低学年のルールの無視や高学年が低学年の見本になれていない姿を見て、それを改善するきっかけを持ったワークショップをやりたかった。」

今回のワークショップでは、そんな彼の思いを込め、子どもたちに、集団行動やルールを守ってもらうことをあらゆる場面において狙いとして定めた。

彼は昨年、DNAの事務局員として、県内の榛東村にて親同士や子ども同士のヨコのつながりを生むためのイベントの企画を行ってきた。

今後は、ピザ窯づくりの場に地域住民が参画出来る仕組みや、仲の良い親同士で子供についてみんなで考えていく雰囲気を作り、城山地区でもコミュニティづくりに貢献したいと考えているようだ。

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【写真:DNAで学童連携プロジェクトを担当する大村駿介】

最後に

季節はもう秋になり、肌寒く感じる日も増えて来た。

私たちDNAは、毎週水曜日に城山学童にお邪魔している。

3時頃には子供たちが学校から学童に戻ってきて、宿題を始める。

今日もいつものように、みんなの宿題を見ているが、毎週眺めている算数のプリントの宿題も、桁数の多い数字が並ぶようになった。

「これ、どうやるの?」と、子どもたちの子の中には、半ば泣き声が混じることもある。

しかし、基本的には自分の力で解いてもらっている。

どうやって覚えたのかわからない。いつできるようになったのかは思い出せない。

でも、大人になったら当たり前のようにできるようになってしまっていることはとてもたくさんあるように感じる。
ついついできないことばかりが目に付くものだが、できるようになった瞬間のことも覚えておきたい、と、思うようになったのはつい最近のことだ。

宿題に困り果てる子がいる一方で、早々に宿題を終えた子供たちは、勢いよく秋空の下に飛び出していく。

学校で何時間も授業を受けてきたようにはとても思えない。

しばらくして4時になると、桜井さんの声が教室中に響く。4時はおやつの時間だ。

「今日は、アンパンとクリームパンが〇個ずつあります!アンパンがいいひとは手を挙げて?」

さっきまで泣き声だった男の子も、元気よく手を挙げている。

ふと室内から外を見ると、小学一年生の男の子二人組がサッカーをしている。

最後の一蹴りをゴールにいれようとしている瞬間だった。

一人の男の子がじっとボールを見つめている。校庭が大きなサッカーグラウンドに見える。足元にあるボールをじっと見つめるまなざしは真剣そのものだ。

次の瞬間、彼は勢いよくボールを蹴ったが、当たり損ねたらしく、ボールは不格好な軌道を描いた。しかし、そのボールはしっかりとゴールネットを揺らした。

彼は大きくガッツポーズをして見せ、教室まで駆けてくるのだった。

いつからだろうか。

どうしても無理なことがある、かなわない人がいる、と思うようになったのは。

いつからだろうか。

諦めることを知ったのは。

やりたいこと、やらなければいけないことは山ほどあるが、叶えたいことを諦めるにはまだまだ早い。

心なしか、口の中でかみしめるアンパンがとても美味しい。

学童を通して、みんなの夢が、叶いますように。

【終】

かいたひと:はしもと、、
しゃしん::こいけ